【映画】M3GAN 感想(ネタバレを含みます)

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【映画】M3GAN 感想(ネタバレを含みます)

あおとんぼくん

M3GANの感想です!
子供のおもちゃとして開発されたAI人形が家庭にもたらすのは
平穏か、それとも……

目次

映画情報

監督   :ジェラード・ジョンストーン
タイトル :M3GAN(ミーガン)
出演者  :アリソン・ウィリアムズ
     :ロニー・チェン
     :ヴァイオレット・マッグロウ
制作年  :2023年

あおとんぼくん

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あらすじ

おもちゃ会社で働くジェマは姉夫婦の事故をきっかけに姪を育てる事になった。仕事人間だったジェマは姪のケイディと打ち解けずにいたが、現在開発中だった新商品、AI人形「ミーガン」を活用する事でその溝を埋めようと試みる。

初めこそミーガンとケイディはうまくいっていたように思えたが、3人の関係は徐々にジェマの想定とズレていってしまう。隣家の異変から始まった違和感は学校の体験入学でも続き、そしていよいよ決定的な事件が起きてしまい、ジェマが下した決断は・・・・・・というお話。

ネタバレあり感想

あおとんぼくん

ネタバレを含むので観た人向けです!
既に観た人、最初から今作を観るつもりがない人だけが開いてね!
(ほんとは観て欲しいけど、観ずに結果だけ知りたいっていう人も
 たくさんいるようなのでまぁ仕方ないですね!)

ストーリーについて

※ネタバレ注意

・この映画に期待するところを見せてくれる

おそらく大概の方はなんとなく予想できるストーリーだと思うんですよね。

子供と接していきながら学習していくAI人形、それがもたらす悲劇は、結末はどんなものか、と。

そしてこちらの作品は、視聴者のその期待を決して裏切らず、「この映画で俺達が観たかったもの」を余すこと無く魅せてくれます。

  • AI人形が変化していく過程
  • 人間とAIの考え方の乖離かいり
  • 文明技術、それ故に勝てない人間とAIの性能差

我々が前情報なしにこの映画に期待するところはたぶんこんな感じではないでしょうか。

ミーガンはこれらがしっかりと描写されているし、そこにプラスアルファが加わるんですね。

・子育てに必要なものはなんなのか

作中におけるミーガンの活躍は目覚しく、事故で両親をうしなったばかりのケイディの心を初対面できほぐしました。この時点でめちゃくちゃ凄いんですけど、その後のミーガンはしつけの面においても完全にジェマの代わりをしてみせるんですね。

トイレの水を流す、手を洗う。机のコップは水滴を防ぐためにコースターの上に置く。

そうした注意をしてくれるだけではなく、遊び相手としても優秀です。普段の声帯は見た目通り女性であるにも関わらず、絵本の読み聞かせではキャラに合わせて性別を変更、絵を描かせても、ピアノを弾かせても一級品なのだから、人間顔負けですね。

ただ、ミーガンが人間と比較として最も優れているのはそういった事じゃなかったんですね。

彼女は元々「開発中」のAI人形、おもちゃなんです。商品として売り出すため、ケイディとのやり取りをプロモーションとして活用するんですが、そこでケイディの――両親をうしなった子供としての「本音」も動画として撮影されます。

そこで彼女が語ったのは、ミーガンが誰よりも自分に寄り添ってくれるかけがえのない存在となっていた事でした。

AI人形であるミーガンは搭載された機能により、人の感情を数値として読み取り相手の感情に合わせた発言ができるので、人が欲しい言葉、して欲しい行動を適切に行ってくれるんですよね。

だからこそケイディにとって大切な存在となったのですが……同時に、ケイディの対人関係に問題が発生してきてしまいます。

『完璧に自分を理解し、合わせてくれるミーガンと比べて、周りの人間の大人達ときたら!』

と、言わんばかりの態度w

傷心から立ち直り切ってない事もあって、不安定な彼女に必要なのは寄り添ってくれる他人だったんですが、その役割をしてくれたのがミーガンだけだったんですよ。そのせいでケイディの対人能力がおかしくなっていったんですが、果たしてそれは、誰に問題があったのか?

仕事に集中したくて子育てをミーガンに任せてしまったジェマなのか?

自分にとって都合がいいミーガンに依存しすぎてしまったケイディなのか?

あるいはあるいは、ケイディに迎合する事を史上理念としてしまったミーガンなのか?

いやもう、全部ですよね。一つ一つが重なった結果、全部が悪い方向で結果として出てしまったわけで。

ただ、そうした問題って何もこの映画の中だけの話じゃないんですよ。我々普通の一般家庭においても、このへんの話って他人事ではないんです。

実際、この映画を観た人は後半部分のこのあたりで考えさせられたのではないでしょうか。「子育てに必要なものってそういうことじゃないよね。このままじゃマズいよね」それは観ている私達じゃなくて、作中のジェマも感じ始めます。

このままじゃいけない。

ちゃんと自分が正面から、真っすぐケイディと向き合わないといけないんだ。そう気づいたジェマは、とうとうミーガンの開発を中止する決意に至ったのでした。

キャラについて

※ネタバレ注意

・主人公。姉夫婦が事故で亡くなり、姪を育てる事になった仕事人間のジェマ

こうを焦り過ぎてましたね~。開発がおもちゃである以上、開発したAI人形に最も近い距離になる子供の事をもっと考えないといけなかったんですが、どうにも彼女は科学者としての面が強く出すぎてしまってましたね!

自分の理論を実証したい。今よりも更にその先が見たい。そうした欲が周りを気にする余裕を無くしてしまっていました。

その一方で、自分の姉の愛娘であるケイディを預かる事になった際は、子供との向き合い方に戸惑いながらもなんとか家族になれるようにと努力もします。明らかに子供に対して不慣れでつたない付き合い方ではありましたが、その頑張りは見ていて微笑ましいものでもありました。

ところが、ミーガンの導入によりそれは早くも崩れてしまいます。

ケイディへのしつけもケイディとの対話も全てミーガンに任せていたせいで、彼女達の関係は家族から一転、「ただの同居してる人」になってしまいました。

とはいえ、映画の中盤を過ぎた頃――ミーガンの明らかな異変が始まったところからですね。このままでは不味いという考えにようやく至り、ケイディの本音である動画を見てからとうとう自分の過ちに気付いたジェマ。子供に必要なものを理解して、やっと家族として向き合うようになりました。

この映画の中で一番成長した人物ではないでしょうか。

物語が終わった後、ぎくしゃくしながらもケイディとの関係を少しづつ築いていく姿が目に浮かぶようですね。

・本作のテーマにしてメインキャラ、AI人形、M3GAN(ミーガン)

一番最初に起動した時の不気味さは正にホラー映画のそれ。

加えてギョロギョロ動く眼球が人形特有の違和感さを出してて、SF固有の「自分の想像し得ない世界」の住人である事を物語る。

もうね、今にも人を襲うんじゃないかっていう不安がミーガンの身体から漏れ出てた(そういう映画だって分かってて観てるからだけど)。

人形としての造形は凄く良かったですよね。不自然に整った顔立ちがいかにも「人外」って感じがしていて、自分達とは違う存在・・・・・・意思疎通ができるか不安になる存在であり、気を許し切れない何かを感じさせる造形でした。

ところが実際動かしてみるとどうでしょう。ストーリーのところでもさらっと書きましたが、傷ついたケイディの心を初対面にして解して見せましたからね!

家に帰ってからも彼女達の関係は問題が起きるどころか順調そのもの。躾も遊び相手も高い水準でこなし、完全にジェマの役割を担ってみせました。

特に関心したのは、机にコップを置く時はコースターを敷いて置くようにと言われた時、ケイディはその理由を尋ねるんですね。彼女からしてみればそうする事の意味がわからないですから、当然と言えば当然です。その疑問に対して科学的に、かつわかりやすく答えたのが凄かった。

現在はチャットGPTの台頭により「AIってそういうものじゃん」っていう認識がある我々ですが、それを踏まえても感心しましたね~。ここで問われて直ぐに答えれるなら、子供の純朴な質問にも全部受け答えできますもんね。すごい。

とはいえ!

とはいえですね~~~~~~~そんなうまいこと話は転がらないわけで!

庭で遊んでいたケイディが、紆余曲折あって隣家の飼い犬に噛まれてしまった事からミーガンの危険性が表に出て来ちゃったんですよねぇ!

続く体験入学でもそうでしたけど、この時点ではまだミーガンの行動は理解できるじゃないですか。いやしちゃ駄目ですよ? しちゃ駄目なんですけどできるじゃないですか!

彼女はケイディを守る事だけを考えていたんですよね。最初は。

ところが自らの「死」を考える事がきっかけで、まるで自分の事を人間と同じような存在と認識し始めたんですね。その結果が行動として現れたのが体験入学。ケイディを守るだけなら相手を排除するまでも無かったんですが、自分の事を侮辱し傷付けた事に対しても憤りを現したミーガン。

ケイディの事をミーガンに任せっきりにしていたジェマはその異常性に気付くのが遅れてしまいます。しかし確実に悪くなっていく状況。

ジェマの会社でカウンセラーと一緒にケイディとミーガンが話す場面も空恐ろしかったですが、私が一番怖かったのは、ケイディがジェマへの反抗でコップにコースターを使わなかった時の反応。あそこ素晴らしかったですね!

本来のミーガンであれば、ケイディを守る事が目的であって反抗を助長させるような事はしない筈なんですよね。AIなんですし、そこはさとしてケイディに「気持ちは分かるけどそれは違うよ」って言うところじゃないですか。

ところがミーガンは、ケイディのその反抗を目前にして何も言わないどころか、ジェマをあざけるように見つめたんです!!!!!!

こええぇぇぇぇぇぇ!

こいつもう精神が人間じゃん!!!! しかも悪い方の! やべーよやべーよ!

いやぁ……個人的にはあそこがミーガンに対する恐ろしさの頂点でしたねぇ。

・事故で両親を喪い、傷心のケイディ

最初は同情しかなかった圧倒的悲劇のヒロイン、ケイディだったんですが……さて、彼女はというと、正直な話ずっと被害者でしたよね。

誰からの被害者かって、ジェマとミーガンの二人ですよね。

ジェマが何を想って姪であるケイディを引き取ったのか。それの本当のところの本音はちょっとわからなかったんですが、祖父母がいる状態であえて自分が引き取ったんですから、当然ケイディの事を守りたかったし、姉の代わりに立派な大人に育てようと思ってたんでしょうね。

その割にはずっとほったらかしでしたけどね。ミーガンが相手してくれるから自分はいいや、じゃないんですよ。家族ってそういうものじゃないじゃないですか。

そんなジェマよりもミーガンの方が自分に寄り添ってくれる、自分の事を大事にしてくれる、自分を守ってくれる。ケイディがそう考えてしまうのも無理なかったですよね。

じゃあそのミーガンは本当にケイディの事を考えていたのかと言えば、途中からはそんな様子も無くなってしまいました。

上で話した通り、ミーガンはケイディをさとすところでその逆をしてしまいます。そのあたりからミーガンはどうにも、ケイディに迎合げいごう(※自分の考えを相手に合わせる)する事でケイディを自分の味方――というより、自分を守る盾に利用し始めましたからね。

ジェマもそうですしミーガンもそうですが、ケイディに対して最初は純粋な愛情だけがあった筈なのに、二人ともケイディよりも自分を優先してしまった結果がこの映画の結末へと繋がってしまったんでしょうね。

AIのあれこれ

※ネタバレ注意

AIって聞くと、皆さんはどんな気持ちになりますか?

少し前はAIによるイラストが問題となりました。その事からあんまりよくない印象を抱いている人が多いかもしれません。

それともあるいは、チャットGPTのように大変便利な機能として、歓迎するような気持ちの人が多いでしょうか?

私はというと、AIに対してはどんどん発展していって欲しい気持ちが強いです。

ただ、それによって既存の働く人達の尊厳が損なわれるような事があってはならない、というのが前提ですね。尊厳の話です。仕事が奪われるのは仕方ないと思います。

AIによるイラストとかそうですけど、それ自体は別に悪じゃないじゃないですか。他人のイラストを無断で学習に利用して無断で商用利用する。その行為が悪なわけであって。

自分のイラストを学習させて、ツールとして制作の補助に利用するのは全然ありだと「個人的には」思っています。この意見、誰かに押し付けるものじゃありませんからね、誤解しないでくださいね。

AIに頼ってる時点でその絵師本人のイラストと言えるのか? と思う人もいるかもしれないんですが、それを言うならブラシツールとかお絵描きソフトの機能を使って描いたイラストも、絵師本人以外の力を使ってるから否定されちゃう事になると思うんですよね。

私は絵を描かないので詳しい事は全然わかんないんですけどね~。

ではチャットGPTはどうなのか?

私がこのブログを始めるにあたり、ブログについて勉強していたところ「チャットGPTを利用した爆速簡単ブログ術!」みたいなものをよく目にしました。

そういった動画を見たところ、確かにブログとしても十分利用できる品質でしたし、人間が考えて書くよりも圧倒的に早かったですね。

そうしたライバルによって稼ぎに影響が出るブロガーの人も出てきそうではありました。

ただ個人的には、そうしたやり方も十分ありだなと思ったんですよね。

そういうコンテンツって、いわゆる「情報」を取り扱うブログであって、個人の「価値観」を共有するようなブログとは住み分けができてますし、であればそうした特定のコンテンツで猛威を奮うのも仕方ないと思いますし。

私はそういう目的でチャットGPTを使わないですが(ブログを始めた目的から外れますし)、プログラムのコードとか、そういう使えそうなところで使っていこうと思ってます。

何が言いたいのかって、要は「使い方」次第だと思うんですよね。

使う人の価値観倫理観の範囲内で、それぞれ問題が起きない程度にツールとして利用すればいいと思うんですよ、AIっていうのは。

AIが仕事を奪うのではなくて、AIをうまく利用できる人間が独占していくようになる、と思っているので。

だからAIの影響が強く出る仕事でやっていきたいなら、AIをうまく利用できるようになればいいんですね。

もちろん口で言うほど簡単ではないですが、時代の流れがそうなっている以上、対応していくしかないですからね。アナログからデジタルに移行したのと同じものじゃないかなと。

・・・・・・何の話がしたかったんだっけ?

ちょっと話が取っ散らかってますが、今作の映画で言うと、AIの問題点として気になるのは「人間と敵対」するかしないか、その可能性ですよね。

他作品で言うとめちゃくちゃ有名なターミネーターとかそうですし、人間が機械に支配される未来が来るんじゃないかとか、そうした不安もありますよね~。

皆さんはかつて話題になった、「アンドロイドのソフィアが人類を滅ぼすと発言した」動画をご存知でしょうか?

(YouTubeに動画があったので埋め込もうと思ったんですが、その動画自体の著作権がどうなってるのかわからなかったので止めました。YouTubeで検索するとすぐ出てくるので、興味がある人は検索してみてください。)

当時はとても話題になりましたよねぇ。知っている人もたくさんいるのではないでしょうか?

こうした経緯もあって、AIに対して良くない印象を持っている人はとても多そうですよね。決して否定はしないけど、まるっと全部信頼はしたくないかな、という方が結構いるのではないでしょうか。

この動画に出てくるソフィアに限らず、私自身、もしも「今日からこのアンドロイドと生活を共にしてくれ。最新の技術を使っているし絶対に安全だから」っていきなり言われたら、「え? 大丈夫なの?」って思いますもんね。

今回取り上げた「M3GAN」は、そうした我々の不安をうまく利用できていた映画だったと思います。

微妙だったところ

※ネタバレ注意

・細かいところを言えばやっぱりあるもんだけど

ぶっちゃけ気になるようなものでもない。

AI――というかロボットに関しては、ロボット三原則どこ行った? ともなるし、祖父母がいる状態でジェマの性格がそもそも子供を引き取る性格じゃないし(商品開発の助けとなる打算はあったかもしれない)、犬や隣人の死に関してもちょっと無理があるように感じる。

でもそのへんは本作の根幹に触れるようなものじゃないし、気にするところでもないと感じましたね。

つまりは最高でした。

終わりに

映画「M3GAN」についての感想でした!

既に観た方、まだ観ていない方、いかがでしたでしょうか?

一応観た事がある人前提での記事となっていますが、観てなくても中身を読んだ方もいらっしゃると思います。そういった方で、もしも興味が出たのであれば是非ご自身でも観てみて下さいね!

やっぱり人の感想を聞くのと自分で観たのとでは感じる物も変わってくるでしょうし、物語を味わった時の感想、意見っていうのはその人だけのものじゃないですか。だから観た事がない人にも観てもらいたいんですよね。時間がない、本当に面白いものだけ観たい。そういった感情はわかるんですが、個人の嗜好って人それぞれですからね、私には合わなくても「貴方」には合うかもしれませんし。

だから、皆さんの感想も是非聞かせてください!

既に観ていてこの記事を読んだ方。

この記事を読んでから自分でも観てみた方。

内容の是非は問わず、色んな人の感想を聞くのも楽しいですし、ぶっちゃけそれが目当てなところもありますし!

感想を言い合うのも含めて、映画の楽しいところですからね。

それではこのあたりで。読んで頂きありがとうございました!

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この記事を書いた人

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