【映画】ブラック・クローラー感想
わにわにパニック!
モンスターパニックというより、
アニマルパニックな内容の映画です。
映画情報
監督 :アンドリュー・トラウキ
タイトル :ブラック・クローラー
出演者 :ジェシカ・マクナミー
:ルーク・ミッチェル
:アマリ・ゴールデン
:ベンジャミン・ホーチェス
:アンソニー・シャープ
制作年 :2020年
私はprimeビデオで視聴しました。
あらすじ
冒険好きのカップルが、未発見の洞窟探検に友達カップルを誘ったところから全てが始まった。
現地のツアーガイドと合流した彼らは、自分達の冒険録を残すが如く写真撮影に興じ、旅行を楽しむように冒険前夜を満喫した。
雄大な自然の中を進んでいき、目的地に辿り着いた彼らは洞窟の奥深くへと潜っていく。
短くない道程の果てに辿り着いたのは、手付かずの地底湖だった。
自分達の発見に喜ぶのも束の間、洞窟の外は突然の嵐に見舞われておりその影響を受けた地底湖には大量の水が流れ込んできてしまう。
帰れるのか? どうしてこんな事に⋯これからどうするべきか話し合う彼らだったが、問題はそれだけではなかった。
増していく水嵩から逃れようと地底湖の中を移動する彼らを、そこを住処とするクロコダイルが襲撃して⋯というお話。
ネタバレあり感想
ネタバレを含むので観た人向けです!
既に観た人、最初から今作を観るつもりがない人だけが開いてね!
(ほんとは観て欲しいけど、観ずに結果だけ知りたいっていう人も
たくさんいるようなのでまぁ仕方ないですね!)
ストーリーについて
※ネタバレ注意
・まぁまぁまぁ、モンスターパニックのお約束ですよね。
なんか面白そうなとこ見付けたから皆で行ってみようぜ! っていう軽いノリからの遭難、そして捕食者に襲われるという。親の顔より見たきれいな流れ。
ぶっちゃけモンスターパニック観る時って、そういったストーリー部分は重視してない(というか期待してない)のでそれで十分なんですけど、意外とそういうところも求める人って多いんですね。
そりゃもちろんあった方が面白いですけどね。メインはそこじゃないというか。ストーリーに力を入れるくらいなら捕食シーンを頑張って欲しいというか。まぁ人それぞれですね。
・あとで「微妙だったところ」でも触れますが、ドロドロの三角関係、いる? いらない。
いや一応、最後の最後、車に乗って脱出するシーンのところでその設定が活きてくるので完全に不要かって言われるとそんな事はないですが。
ただ、「これからこいつら襲われるんだ・・・・・・誰が生き残るんだろう」ってわくわくはらはらしてる時に「浮気してました~」って話をされても、我に返るというか、せっかく物語に入り込んでたのに冷めちゃうんですよね。
とはいえ、車でのシーンで一応活かされてたので、まぁそれはそれであり、としましょうか。
さっきから言ってる車でのシーンの話なんですが(ここから誰が生き残るかのネタバレ入ります。注意!!!!!!)
※誰が生き残るかわかっちゃうネタバレが含まれます。注意!!!!!!!!!!!
浮気した女とされた女で車に乗った時、彼女達が何を想ったのかって話ですよね。
単純に助かってよかった、とはならないじゃないですか。
彼女達は親友とも呼べる程に仲が良かったのに、片方の裏切りのせいでその友情は壊れてしまった。そして二人だけが生き残り、これから無事に帰れたとしてもどんな顔して付き合っていけばいいのか。
無限に気まずい空気の中、助かった喜びを分かち合う前にただただ息苦しい。
された方の女は会話を避けるように顔を背け、内心のいらだちを表すようにその運転は荒く雑なもの・・・・・・だから、事故になってしまった。
この最後の事故に関しては、この二人が生き残り、この二人の関係性があったからこそ起こったものですし、そう考えると完全に無駄な話ではなかったんですね。
まぁ~~~~~~~それを加味したとしても~~~~~~~~~モンスターパニックにそれ、いらんくない? と思ってしまいます。私の了見が狭いのかもしれません。
・ストーリー、というか演出面に関して。
洞窟内で起こる物語の関係上、どうしても視界が暗くなりがちで分かりづらさが強くなってしまいます。
ただ、何が起きているのかわからないのか、って言われるとそんな事はなくて、普通に視聴してたら今何が起きてるのか十分に分かりましたし、言うほど不親切だとは感じなかったですね。
・そしてモンスターパニックで一番の重要要素、襲われるシーンとそれに怯えながら探索するシーン。
こちらはどちらもとてもよくできていて秀逸でしたね~!
ただそれは、モンスターパニックではなく、アニマルパニックとして観た場合です。モンスターパニックとして観るとどうしても物足りなさが強い本作ですが、相手を実際のワニとして捉えるとすごい緊張感がありました!
ワニって捕食する時って、水面から目から出るくらい顔を出して近付いてくるじゃないですか。あれのおかげで、「今は襲われない・・・・・・今は襲われない・・・・・・はず!」っていう、期待が裏切られて欲しい感覚と期待通りになって欲しい感覚がいい塩梅で同居していてハラハラ感が凄かったんですよ!
あ、実際には水中からでもバリバリ捕食するっぽいです。イメージ通りの動きをしてくれるから、そこがモンスターパニックには無いアニマルパニックの楽しみ方ですよね。
・他の作品と比較してしまうとどうしても劣る本作なんですが(ザ・グリードとかアナコンダとかスタングとか)、それを忘れて本作を、アニマルパニックを肌に感じられるものとして楽しむと中々面白い作品として仕上がっています。
キャラについて
※ネタバレ注意
・主人公兼ヒロイン、冒険好きなカップルの彼女さんであるジェン。
彼氏のエリックと、友人カップルであるヨランダ達4人+現地ガイドのキャッシュの5人で冒険に行く事になったのですが、本作で一番の被害者と言えなくもないのが彼女ですね!
信頼して、縋るように手に持っていたものが、両手で掬った水のように零れ落ちていく。彼女がこの物語を通して得たものってなんなんでしょうね。
物語の中においては、彼氏のエリックが行動力、決断力、責任感において突出した活躍をしてくれていたので、このジェンさんはあんまり主体性が無い人なのかなぁと思ったら、蓋を開けてみるとそんな事はない!
ちゃんと自分で考えて、今どうするべきなのか、そのために何をしないといけないのか。きちんと判断して決断できる、強い女性でしたね~。
・友人カップルの彼氏さんであるヴィクターについて。
いや~~~~~~~~~~~~ヴィクターさんはですね~~~~ある意味では最も幸せだったかもしれない。絶対に同じ立ち位置にはなりたくないし、あくまで全然関係ない外側から見てると、って話しですね。
もしもこのヴィクターさんが「作中で最も不要と言われた要素」の真実に気付いてしまっていたら、一体その胸中はどうなっていたんでしょう。
いつも通りの楽しい冒険の筈が、突然の嵐によって洞窟に閉じ込められ、そして真っ先に負傷した上に持病の喘息で足を引っ張ってしまい。それでも彼女さんに告げられた事実を聞いて生き残る決意をして絶望の中を必死にあがく。
そんな人間らしさ溢れる彼が、もしもあの場面で真実を知ってしまったら……考えたくもないですが、それこそ自暴自棄になっていてもおかしくなかったでしょうね。
ワニのあれこれ
※ネタバレ注意
・舞台がオーストラリア北部ということで、実際にイリエワニが生息している地域となっています。
このオーストラリア北部のダーヴィンという地域は、イリエワニを間近で見られる観光スポットとして有名なようですね。
作中では言明されていなかったと思いますが、この映画に出てくるワニもこちらのイリエワニかと思われます。
イリエワニはワニ目クロコダイル科クロコダイル属で、数あるワニの中でも最大級のサイズを誇り、その体長は平均で4mに及ぶそう。
平均で? でっか。
・作中での捕食シーンについてなんですが、一度口に咥えた後、水面から顔を出して獲物を咥えなおして噛み砕いています。
ワニってそんな感じで捕食するんだ~と思ったら、どうやらそんな事もないみたいですね。
小さい獲物相手であればそういった形で捕食するのが主流のようなんですが、どうもYouTubeで色々見てみたところ、自分より大きいサイズの獲物は嚙みついてから捩じ切る動きをする事が多いんですよね。
部位を細かくしてから食べるというか。
映画にそんなリアルさを求めてるって話ではなくて、実際の捕食はそんな感じなんだ、っていう確認です。
その捩じ切る動作っていうのが、たぶん皆さん一度は聞いたことがあるであろう、デスロールってやつですね!
どうせならそのデスロールを派手に見せて、部位破壊された人間が怯えて叫ぶシーンがあった方がワニ映画として面白かったんじゃないかなぁ・・・・・・というか、私が観たかったなぁ。
微妙だったところ
※ネタバレ注意
・「来るぞ・・・・・・来るぞ・・・・・・」の連続だった本作。
動ける二人が助けを呼ぶため水没した帰り道を進み、行く先でトラブル。残った女二人は負傷したヴィクターのところに残り待つ、その間にもトラブル。いよいよ絶望的なところでまさかの胸糞人間関係。
途中までは「なんでこれがこんな評価低いの?」って思ってたけど、うん、わかる。
パニックムービーに余計なもん持ち込まないで?
俺たちが求めてるのはそういうんじゃないんだよ!
と、いうわけでやはり本作における最大の欠点はこの「胸糞人間関係」ですね。
ストーリーのところでも触れたんですが、まぁ完全に不要かって言われたらそんなことはないんです。
でもこの設定が無くてもこの物語は作れたしモンスターパニックとしてのメイン部分には支障なかったよね? って思ってしまうと、う~~~~~~~~~ん。
パニックムービーなんてお化け屋敷みたいなもので、その時間の間はスリルを楽しむけど終わったらスッキリしてる状態じゃないとさ、お化け屋敷から出た後で「あれって⋯」ってなったら最悪じゃん!
そこが非常に残念でした。もったいない。
・これもワニのところで触れましたけど、個人的には捕食シーンにデスロールを採用して欲しかったですね。あんまりグロくしなくてもいいから、身体の一部が持っていかれた! っていう絶望感とパニックが欲しかったですね。
一応似たような展開はヴィクターさんがやってくれたんですが、ちょっと求めていた被害と違ったので・・・・・・「求めてた被害」ってやべー言葉だな。
・あとは、私自身は気にならなかったんですが、おそらくモンスターパニックに不慣れな人が不満に思う点として、洞窟というシチュエーション上、どうしても悪くなる視界。何が起きてるのか分からないってほど酷くはないですが、見づらさはあるかもしれません。
それと、作り手側にとってご都合主義とも思える主人公達の無警戒さ。よく言えば楽観的・・・・・・いや、ちょっと無理があるかなぁ。
そういったものを受け付けない人にとっては、残念ですがおすすめできないですね。
終わりに
映画「ブラック・クローラー」についての感想でした!
既に観た方、まだ観ていない方、いかがでしたでしょうか?
一応観た事がある人前提での記事となっていますが、観てなくても中身を読んだ方もいらっしゃると思います。そういった方で、もしも興味が出たのであれば是非ご自身でも観てみて下さいね!
やっぱり人の感想を聞くのと自分で観たのとでは感じる物も変わってくるでしょうし、物語を味わった時の感想、意見っていうのはその人だけのものじゃないですか。だから観た事がない人にも観てもらいたいんですよね。時間がない、本当に面白いものだけ観たい。そういった感情はわかるんですが、個人の嗜好って人それぞれですからね、私には合わなくても「貴方」には合うかもしれませんし。
だから、皆さんの感想も是非聞かせてください!
既に観ていてこの記事を読んだ方。
この記事を読んでから自分でも観てみた方。
内容の是非は問わず、色んな人の感想を聞くのも楽しいですし、ぶっちゃけそれが目当てなところもありますし!
感想を言い合うのも含めて、映画の楽しいところですからね。
それではこのあたりで。読んで頂きありがとうございました!
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