【ゲーム】FF14黄金のメインクエ終わったので感想(ガッツリネタバレ閲覧注意)

【ゲーム】FF14黄金のメインクエ終わったので感想(ガッツリネタバレ閲覧注意)

最初にクリアした時点での大雑把な感想を言うと、「面白かった」。

ただなんというか、「文句の付け所が無いくらい面白い!」じゃなくて、

「面白かった・・・・・・けど」っていう感じなので、あんまりそういう感想を目にしたくない人はブラバ推奨。

目次

良かったところ、面白かったところ

光の戦士(プレイヤー)の立ち位置

 どのゲームでも大体そうだけど、主人公っていうのは「自分が操作するキャラクター」なんだよね。これまでのFF14も例に漏れず「光の戦士」がそうだっただけど、今回の拡張では物語の主人公をNPCに据えてた。これ個人的には新鮮でとても良かったね!

 主人公に自己投影したり、キャラに感情移入させるタイプのプレイスタイルだと退屈で面白くなく感じるかもしれないけど、各キャラを他人を見つめるように観測する楽しみ方の人だと退屈さはあまり無かったと思う。

 私がそういう遊び方をから、今回の立ち位置については特に不満もなく普通に楽しめた。

 新生から暁月までで大きな話の決着は付いてるし、今回の話は言うなれば「エンディング後のおまけ」の感覚として最初から遊んでたこともあって、「このタイミングならこういうのもいいよなぁ」ってなる。なった。

他種族が共生するトライヨラ、それぞれの価値観と歴史

 こ~~~~~~~~~~れ大好き。

 こういうのほんと好きなのよ。特にファンタジーでこれされちゃうと、もうね、もっとその生活を見せてくれ!!!! ってなっちゃうよね。

 試練という形でそれぞれの部族を一つづつ見て回っていく形が良かった。地域レベルで住み分けされているのもポイント高い。一つの部族にじっくり集中して意識を注げるし、現実的に考えても文化の違いや身体的特徴で衝突する事が無いから不自然さも感じない。

 ウクラマトが試練を「相手の文化、考え方を知ること」と捉えていたのも素晴らしい。それが結果として試練をクリアする事に繋がるのでプレイヤーも自然とテキストをよく読むし(たぶん)、興味を持たせる手段としてはとても良かったと思う。

 メインクエからは話が外れますが、クラフタークエストもこの点でとても良かった。見た目的に同じ種族がエオルゼアにいるのにその違いはなんなのだろうか、という事をチラっと匂わせている。あくまでも口伝なので確定ではないんだけど、いやでもその口伝ってところがいいよね!!!!!!! そうかもしれないし、違うかもしれないし、伝わっていく過程で盛ったり削られたりした部分があるんだろうなぁって考えちゃってさぁ!

 各部族の中で「誰が次の王に相応しいのか」意見が割れているのも良かった(活かされてはいない)。周りが全部味方で肯定しかされない話とか退屈だからね、NPCと会話していく中で「このキャラはこういう考えで誰々を推してるのか」、それ自体を知る事に意味はないけど、違う意見というのは読み手に考えさせるきっかけにもなるし正直楽しいんだよ。

 各部族の中でのエピソードとして好きなのはモブリン族。いやあれはサブクエだったか? 引退する壺匠と世話人の不器用さ故の擦れ違い。プレゼント交換できて嬉しいね! ここまで書いて思い出した、連続サブクエだこれ。

蛮神とは異なる超常の存在、トラルヴィドラール

 新しい大陸だから新しい大型ボスの存在も用意しようってか! 開発さん大好き!

 大型の怪獣が好きな私にはめちゃくちゃわくわくする設定! トラル大陸最強の、と謳っているのでこれ以上の存在は出てこない可能性があるものの、メインストーリーで見ると80年の封印という、後からどうとでも言い訳できそうな話の中での最強なので、今後ヴァルガリマンダよりも強くてやべー幻獣が出てくる可能性もまだ0じゃない! 2.Xシリーズ程じゃないにしても、たくさん出してくれ~!

 FFシリーズファンが嬉しい既存幻獣でも当然嬉しいし、FF14オリジナル、ヴァルガリマンダを越える現在の最強幻獣を出してもいいんだぞ!

 メインストーリーの中での扱いは終わってみればかなり軽くて残念だったけど、まぁまだ黄金は始まったばかりだから。これから話は続いていくから。今回の拡張は新章のプロローグみたいなもんだから。

 気になるのはロールクエスト。あっちはまだ開放しただけで一つも進めてないんだけど、なんかそっちでちらっと名前出てこなかったっけ。わかんない。そっちだけで終わらせないで、今後のメインストーリーでがっつり触れて欲しいけどなぁ。どうなるのか楽しみな要素の一つ。

アレクサンドリア王国の文化

 こういうディストピアって謎の魅力があるよね。実際に暮らしたいかと聞かれたら絶対に住みたくないはないけど、関係ないところからあれこれ考えるのが楽しいのよね。

 前時代的な文明のトライヨラから、PSOを彷彿とさせるSFの世界観へ。技術の差が激しすぎて眩暈しそう。こちとら気球が最先端なんですが?

 本来の魂の輪廻を無視した上、人工的に個人の魂をまっさらな状態へと加工したのち、別の人間のライフストックとして運用する・・・・・・いやこのシステム考えた奴倫理観無いんか? 雷で頭スパークしてそう。

 プレイヤーが普段そうそう考える事無い題材をぶち込んでくるの大好き。そしてその問題に正面から向き合って悩みながらもちゃんと自分達なりの答えを出すキャラ達が大好きなんだ(今作のことじゃない)。

 なんだけど……こういう設定は好きだし実際やってて面白かったし、自分でもあれこれ考えたりするのも楽しかったけど。なんていうか、持て余してる感じが凄かった。その話は後述。

クルルさんの出生

 これね~~~~~~~~~~~~~~~! 実際のメインストーリーの中での扱いはともかく、ちゃんと出生の秘密を最初から最後まで取り上げてくれたのはとてもよかった。 扱いはともかく。

 FF5のクルルとどこまで被せてくるのかなぁ、完全に切り離すのかなぁってわくわくしてたら、「おぉ、その要素をそうやって入れてくるんか!」って膝を打った。最高。良かったねクルルさん!

 他の暁面々は結構深いところまで掘ってたし、クルルさんもこれでより一層情が湧くというもの。

 今後はミララ族に関しても触れるんだろうか? なんかそれはメインじゃないっぽいし、その歴史の触れ方にてついても過去の文献頼りな感じ、これ以上は掘り下げないっぽいよね。また別の世界に飛んで掘り下げたりするんだろうか。

 後はガラフさんよね。メインストーリーの途中から完全にその話が出て来なくなったけど、あれあれおいおい元々はガラフさんの足取りを知りたかったって流れだったような? それも今後か。お預けが多い! でもちょっとづつ世界が見えてくる感覚は嫌いじゃない。

微妙だったところ

新キャラの掘り下げ不足

 これは本当に思った。何度も思った。繰り返し思った。

ゾラージャ

 作中で意味が分からないキャラ№1。絶対もっといいキャラになった。前半と後半で言ってる事が変わるし前半の伏線じみた発言が無かった事になるの摩訶不思議。

 新キャラの中だと私はゾラージャが特に好きだったからなおさら残念。

 どこからおかしくなったって、やっぱり黄金郷に渡っちゃってからだよね。トライヨラに戻ってきた時の行動は、まぁ、わかる・・・・・・わからないでもない、いやわからんな? 最初に言ってた「平和を求める心を取り戻すために争いが必要だ」の信条からブレてないようにも感じるけど、それは自国を襲撃してやりたかった事じゃないよね? どうしたゾラージャ! ご乱心遊ばれたか!

 最初はゾラージャなりの価値観(過激派。帝国の二の舞ルート)でトライヨラの事を考えて行動してたのに、最後で蓋を開けてみたら「実は父親コンプレックスでした~」って。前半で一切そんな描写無かったのに唐突にそんなものぶっこんでくるから、テキスト読んでるこっちは頭の中混乱状態ですよ。え、なに、実はこれ「道を間違えて引き返せなくなったけど倒して貰いたいからあえて茶番を演じる可哀想なボス」としての演出か? とか思ったけどどう考えても違う絶対そんなことはない。

 拡張のストーリーのテーマがこれでもかってくらい「家族」だし、ゾラージャを敵役としてウクラマトとぶつかる役にしたかったんだろうけど、それが途中からの思い付きにしか見えなかった。そのつもりなら最初からそうした確執描くなり台詞で匂わせるとかすればいいのに本当に急だったからなぁ。

 親兄妹へのコンプレックスが駄目なんじゃないの。じゃあ何が駄目って、あんたそれを思わせる描写しなかったでしょ、って話よ。キャラクターを掘り下げずにやらせたい事をその場しのぎでやらせてるから、キャラの一貫性も無いし言動がおかしな事になるんじゃないの。

 ただ、家族へのコンプレックスをこじらせてたっていうのを、口数少なく家族の中で一人だけ孤立してた感じで出してたのは良かったように思う。あいつほんと喋らないもんな。

 新拡張の中で一番好きになれそうなキャラだったのに、ストーリーの辻褄合わせで雑に歪まされたように感じてしんどかった。俺のゾラージャ・・・・・・。最初はしっかり芯があるキャラだったのに、気が付けば自分探しの迷子に。

© SQUARE ENIX

 93討滅の辺りで、私は「こ~~~~~れ絶対最後はコーナもゾラージャも味方になってくれる奴でしょ! どっかの試練で敗れた後に行方をくらませたゾラージャが勇連隊の面々引き連れてトライヨラを武力で統一しようとして襲撃してくるんだ!」「でもなんやかんやで知る事の大切さを理解して和解とまではいかないまでも目的のために協力できるような関係になるんだ!」って想像してた。なお実際。

 正直好きな新キャラがゾラージャだった事もあって、メインストーリーの一番ピークだったのはここだったかもしれない。

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 こうしてみると、「奇跡の子」って呼ばれてる事を意識したり、父親と自分を比較して追い付こうとしてるようには見えるけど、この時点では言い方的に重荷にしては無いよね。焦りも感じないし、どちらかと言うと前向きな感情から行動してるように見える。

 継承の儀を通して父親に認めて貰える、国民の期待に応える――っていう気持ちがあったかもしれない。それが継承の儀で失格になった事で、父親に選ばれなくて反転? そんな無責任に自分の立場を放棄するようなキャラとは思えないけどなぁ。そうならそうとして、やっぱりちゃんと心変わりの描写をしっかり描いて欲しかったな。

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 こうやって異邦の詩人さんに言わせてるけど、ゾラージャみたいな重要なキャラを掘り下げずもせずに曖昧なまま終わらせるの、ストーリー上での使い捨てキャラみたいな扱いで嫌じゃん。料理対決のとこでウクラマト組と組ませてその心情を吐露させたり、マムージャの儀式で失格になった時ちょっとの会話イベで今後の事を話したりするだけでだいぶ変わったと思うんだけどな。

 つうか一度でかい対立起こした後に仲間になって欲しかった。仲間というか、和解してクリア後も生き残ってお話して欲しかった。勇連隊があるじゃん。ブライトプルームポスト? あそこで隊長としてどっしり構えててくれたら良かったのにね。

サレージャ

 永遠ネチネチおじさん。エレンヴィルが辟易してたのはいい思い出。

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 サレージャは黄金郷を前にして退場しちゃったけど、あれ見た瞬間に「なんで???????????」ってなったのは私だけじゃないはず。私はずっと、「こいつ土壇場でゾラージャ裏切って自分だけ黄金郷の力を手にしてはっちゃけるタイプだよなぁ」って思ってたのに、まさかの切り捨てられる側だった。ほんとにどうして? そんな流れだったか? シナリオ書きやすくしようとしただけなんじゃないのって邪推してしまう。

 だってこいつのこれ、このシーン! ゾラージャがマムージャの試練で失格にされちゃった時のやつ。

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 「ゾラージャと自分」じゃなくて、「この私です」ってはっきり言っちゃってるからな! こいつ!!!! この野郎!!!!!!!

 その後に暁の誰か(確かクルルさんだったような気がする)が、サレージャのこの台詞について言及してるし、あーもう絶対これ伏線じゃんこの後どっかでこいつゾラージャ裏切りますもう確定ですこいつが今回のボス候補ですって思ってたのに! なんなん!? その後何もないならここでこんなセリフ入れる意味ないだろ!

 まぁでも正直、サレージャに関してはウラクマト誘拐以外は印象も薄いし、退場した事、それ自体は気にしてないのよ。させるならさせるで別にいいけどさ、意味のある退場にして欲しかったなって。ゾラージャの目的とか意義に反する事を言い出したり、裏でこっそり意に添わぬ事をしてバレて口論、対立して敵対へ。みたいなさ。

 ゾラージャの時と同じく、こいつも突然方針転換したかのように役割を失ったからほんとに意味わからんかった。なんか今回こういうの多いんだよな。 

バクージャジャ

 ウクラマトの寛大さを引き立てる役になってしまったバクージャジャさん。行動が色々おかしい。

 途中までは良かった。ちゃんとはっきり「ヘイトを集める役なんだな」ってわかったし、明らかやりすぎたり(ヴァルガリマンダさんとか、父親人質後殺害しちゃうよ発言)する事もあって情が向かないようにしてたし、まぁわかりやすく「むかつく」敵役なんだなって思ったけど。

 ・・・・・・改めて書いてて強く思うけど、なんか今回全体的に、ストーリーの対象年齢が下がってるよなぁ。子供向けとかじゃなく、幼稚な楽しみ方向けというか。まぁその話はもう少し後で。

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 こうした背景があって、自分に期待されている事を嫌というほど理解していて、だから手段は選んでいる余裕なんか無くて、その結果これまでの行動になったんだよ、っていう話。

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 ほんとは悪い事してる自覚もあったし、ちゃんと反省してるよ!

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 どう考えても洒落になれない大惨事を引き起こすヴァルガリマンダの封印を解いて大勢の死者を出しかけましたけどね!

 結果論でなぁなぁになってるけど、謝って済む話じゃないなんだよなぁ。ここまでやったんだから最後まで突き抜けて悪役に徹しないと、中途半端に「あの悪役に実は暗い過去」をされてもカバーしきれないでしょ。

 双頭の子供達が死んでいくのは我慢できないけど、関係ない他の奴らがどれだけ死のうが知ったこっちゃないって言って、実際行動に起こしてるんだよ。ちょっと擁護できない。

 この経緯であれば、外部の人間であるウクラマトに事情を話すのは嫌がるのが心情だろうし、一言二言の説得を聞いたところで「何も失った事がないお前に何がわかる」的な拒絶なり、「今知ったばかりのお前に何ができる」って反発するものだと思うけど。父上に失敗作って見限られて傷心だから、すぐ恭順するよっていうのはバクージャジャのそれまでの人生をバカにしてると思うんだが。

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 それはそれとして、このシーンは好き。

 バクージャジャは声優さんの演技凄すぎて、あの特徴的な笑い声がたまらない魅力になってるよね。

グルージャジャ

 家族を大切にするいいお父さん。でもウクラマト以外の息子達への関心が極薄でびっくりした。

 今回のテーマが家族っぽいのにも関わらず、どういう訳かゾラージャとコーナに対する気持ちを語る場面が無い。あったかもしれないけど覚えてない。それは私のせいだけど、あったとしても記憶に残らない程じゃどの道意味ないのでは。

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 それらしいものと言えばこのくらいだけど、これは親から子への想いではなく、現王から見た候補者の話。バクージャジャが含まれてる時点で明白だけど、我々に必要だったのはそこじゃないのねん。

 今回のテーマであればやはり欲しかったのは、「ゾラージャとグルージャジャ」「コーナとグルージャジャ」「ウクラマトとグルージャジャ」「子供3人組の昔のエピソード」辺りだよね。

 会話だけのカットシーン作るより、こういう、キャラの掘り下げにリソース使ってくれ。プレイヤーの思い入れが全然変わってくるからとても大事。

 ゾラージャとの絡みがほぼ描かれてないからわからないんだけど、ゾラージャのコンプレックスに気付いてない筈がないのに(というか察せる状況にあったはず。子供ができない筈なのにできた奇跡の子って言われてる+一人だけ肌の色が違う事で思う事があるんじゃないか、とか)、ストーリーの流れを見ると気付かなかったか知ってて放置してたって事にならない?

 グルージャジャは連王として卓越した偉人だった、というのは作中で繰り返し表現されてる。一方で親としての姿はほぼ語られてないので、もしかしたらわざと親の役割が苦手なキャラとして設定されたのかもしれない。そう考えるとますますゾラージャがかわいそうなんだが。歪むべくして歪まされたキャラ。

 正直ここまで上げたトライヨラ陣営、全員が雑に描かれてると感じた。一番書きたい物を書くための舞台装置みたいな扱いというか。掘り下げが全然ないから何考えてるのかわからんし、その胸中を思うという、とっかかりさえ無い。

 なぜそうなったかと言うと、その原因が次にあげるキャラだと思う。

ウクラマト

 黄金のレガシーの主人公、ウクラマト。

 今回のストーリーで不評な意見を聞く度にこの子が原因だよなぁと思ってしまう。ウクラマトが好きな人がいるものわかってるけど、その上で言うと今回の話は「ウクラマトに全部都合がよく話が展開するウクラマトなろう系」だったから、他のキャラが皆ペラペラなんだなと思った。気分を悪くした人がいたらごめんなさい。

 前半は好きだった。継承の儀が終わるところまでは。それまでもちょいちょい思うところはあったけど気にする程ではなかった。継承の儀が終わるまでだし、って思ってた部分もあるけど。

 継承の儀を通してグルージャジャの軌跡を歩む内にその偉大さを知り、対して自分はと言えばと悩んだり、他の優秀な兄達と自分を比べて未熟と嘆いたりと、普段の明るさが劣等感の裏返しだったかのような描写。

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 そこから前を向いて、自分は自分だと前向きに考えるようになったりと、あっさりとはしてるものの成長の過程を描いてる。

 継承の儀で「知る」事の大切さを身を持って理解してからは、各部族の文化や考え方、歴史を尊重する事で少しづつ人望を獲得していく。

 前半部分の最後には「相手の価値観、考え方を尊重するキャラ」として確立したけど。

 後半が問題だよね正直。

 なんでウクラマト着いてきたんだろう……。明らかおかしいじゃん。王様が自国の民をほっといて未知の前線にずんずん進んじゃダメでしょ。気持ちはわかるけどさ。

 問題なのはアレクサンドリアの文化・・・・・・価値観? 技術? 魂の再利用という、これまでの自分達の倫理観から遠く離れた禁忌ともいえる所業を前にしてから。

 まず知る。それはいい。ウクラマトらしいし、これまでの流れを汲んでる。プレイしてる私達も知りたいところだし、ここで結論を急がないのはえらい。

 でもリビング・メモリーに行った後の行動はどうなの? 相手を知るって繰り返し言ってるけど、ここでウクラマトがやった事って「表面だけ聞いて知って」「説得もなく事情説明もなく」「記憶の残滓ではあるけど確かに思考して感情もある人間を本人達に黙って消去していく」

 は??????????? ん、え? あぁー・・・・・・な、なるほど。そういうこと? どういうこと?

 昨今は多様性が叫ばれてるし、色んな考えがあるよね、自分達の考えだけで相手の事を一方的に否定しちゃ駄目だよね、っていう考えが制作サイドにあったのか知らないけどさ。

 ウクラマトはアレクサンドリアの人達の価値観に対して、自分の結論出したっけ? 「アタシはトライヨラの王だから。トライヨラの皆が第一だから」じゃなくて、「アレクサンドリアの魂の取り扱いについての見解」について何か話したっけ?

 言ってたらごめん、私の見落としです。アリゼーだけが力強く否定してたのは覚えてる。こういう時そう言うもんな、アリゼーは。安心と信頼のアリゼー。

 なんかそういったところで、ウクラマトは「知る」を重要視しすぎて「知ってさえすればいい」みたいな感じに見えてしまってどうにもダメだった。知るだけじゃなくてどう思っているのか、どうしたいのかまで慮らないといけないと思う。前半ではそこまでしてたと思うんだけど、後半はそのへんかなり雑だったと思った。

 正直そういうのもあって、最後までウクラマトがくっ付いてきたのは「もういいよ」ってなったし、制作陣の推しなのか黄金からのメインキャラクターにしたいのかわかんないけど(フェイスにいないしそれはないと思うが)扱いきれないなら不自然に押し出さないで欲しい。

 いや、扱いきれなかったのはキャラじゃなくて設定の方なのかもしれない。アレクサンドリアの問題は難しいもんね……。

 今後のメインクエではもうウクラマト使ってほしくないくらいには忌避感ができた。使うなら他のキャラをお膳立て役にさせないで欲しい。ウクラマトも選択を間違えたりとか怒られたりとか、完全無欠な属性じゃなくて弱点もあるキャラにしてから使ってくれ。乗り物酔いとかそういう話じゃなくてね。

既存キャラの扱い

 暁の面々が「仲間」じゃなくて「モブ」みたいに感じてしまったのよね……全部ウラクマトにやらせて、ウラクマトを立たせる動かし方のように見えてしまってしんどかった。そんな事言う? って思う事がちょこちょこあって解釈違いに付いていけなくなりそう。

 特に違和感が強かったのは、ウラクマトのとこでもちらっと話したアリゼー。

 アリゼーと言えばバハムートに首突っ込んだり、罪喰い化に全力で向き合ったり、エルピスの87IDで脳筋っぷりを発揮したりと、考えるより先に気持ちが抑えられなくて身体が動いちゃうみたいな、直情的なイメージがあったんだけどね。

 アレクサンドリアでハッキリ自分の思う事を言うものの、それについて何かの行動を起こそうともしないで着いて回るだけっていうのはどうしても違和感を強く感じてしまった。私だけかも。

 他の暁面々も、継承の儀の道中とか基本的にずっと一緒にいるのになんか存在感が薄い。皆わりと物見遊山だったのかもしれない。

 後はクルルさん周りの話。いいところでも話題に上げたけど。ざttttっつじゃない? なにこれ。継承の儀の最中もずっと気になってたし、どんな話持ってくるのかと思ったらあっさりしすぎでしょ。元々、生まれてこの方ずっと会った事が無くて幼い頃の記憶さえも無い関係っていうのも含めてさ。2、3クエストで流す内容じゃなくないか? 本来なら(消えゆく魂なのも踏まえた上で)お互いの事を知ろうねって言ってこれまでの話とかお互いの気持ちを交えながら親交を深めていくとこじゃないの。「(親)こういう理由がありました」「(ク)なるほど。こういう目的があるので消しますね」「(親)わかってるよやっちゃいな」っていう流れ作業をオーティスのとこでも感じたから、なんか、もう、終盤になってシナリオ考える人が力尽きたのかと思った。さっさと終わらせたい気持ちが・・・・・・いや尺が足りなかったんだろうけど。それかアレクサンドリア周りの題材を扱い切れなかったか。難しい問題だからな・・・・・・。

 エレンヴィルのとこも似た事思ったし。こういう時自分の話をしないキャラってのはわかるけどね、リビングメモリーに付いてからどれだけの時間があったのかと。確定してる別れに備えてそっとして置こう、っていう周囲の気持ちはまぁわかるよ。でもそれは創作だと逃げじゃないか? キャラの心情に迫らないのならそのイベント起こす意味ないじゃん。ぶっちゃけカフキヨにこの役をさせる意味が感じられないストーリーだった。その役は別の、全然関係ない人でもできたでしょって思ってしまう。冷静に考えて、自分の息子に親を殺させたい奴なんておるか? 99討滅までエレンヴィルに本当の事を話せなかったカフキヨの人間性を考えると、エレンヴィルには自分が消える事になるリビングメモリーには着いてきて欲しくなかったって思うでしょ。

 手軽に簡単にドラマを作れる内容ではあったけど、リビングメモリー以降に関しては粗が目立ちすぎてぶっちゃけ楽しめなかった。オーティスのとことかびっくりしたんだけど。「住人を消す消さないの話はいつするんだ?」って思ってたら、カットシーン後の立ち話でさらっと「お前たちが何をしに来たのかはうすうすわかってる。気にするな、やれ」って。都合良すぎでしょ。そんな雑に片付けるくらいならリビングメモリーはキャラ出さずに最終IDにして片付けてしまった方が良かったんじゃないかと思ってしまう。

 尺が足りないのもあっただろうけど、全体的にキャラの扱いが雑なんだよなぁ……黄金郷の話はパッチ後にして、7.0のメインクエはトライヨラに集中した方が良かったんじゃないの。後からマップを追加できないとか、もしかしたらそういう問題もあるんだろうけど。題材はすごくいいのに、もったいなかったなぁ。

雑なイベントの使い方

継承の儀で王の器を持つ奴がいなかったら王位は譲らない→足りない秘石は奪って集めたらOKです

 これ凄くない?

 グルージャジャはトライヨラに住む人々の文化、価値観を知って尊重できる奴にじゃないと王位は譲らないって言ってるけど、マムージャの試練担当者はそれを知らないのか秘石は奪って揃えればOKって解釈してて継承の儀が破綻してるの。

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 本編では語られなかったけど、他の候補者から奪う事を禁止としてしてないのは、「そうは言っても最低限自分を守れるくらいには強くないとダメだよね」って事だと思うけど。だから、あえて強奪も手段として可にしたのかなって。

 でもバクージャジャみたいに、それを前提にした動きをする奴が出てくるっていうのは容易に想像できたんだし、そうなると本来継承の儀を通して見たかった成長の妨げになるんだから、やっぱり最初から強奪は禁止にしておけば良かったのでは? この抜け道があるから、後述のシュヴァラール族みたいな試練方法になったりするんだろうし。

 ハヌハヌ族(葦)、ペルペル族(金)、モブリン族(壺)、ヨカフイ族(墓)(封)、マムージャ族(友)の試練は良かった。封の試練は結果的にああなっちゃったけど、元々は封印の補強とかそんなのだった筈だから、候補者全員にちゃんと平等なチャンスがあった。

 シュバラール族(食)の試練くんさぁ……君のとこだけ他と空気違うよ? 何を思ってこの試練にしたんだろ。

 実娘に忖度したかった気持ちはあったかもしれない。無意識に・・・・・・いやどう考えても意図的だろうけど。それはそれで正直個人的には有りだなって思ったんだけど、身内を贔屓したいっていう親心からあの試練の内容にしたっていう裏設定があるのであれば、そのへんは本編のどこかで匂わせた方がシナリオの杜撰さとして指摘されなくて良かったと思う。

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 そこはキャラの話。個人的に身内びいきなキャラを出すのは嫌いじゃない。むしろ好き。

 そこじゃなくて、組み合わせの話。そこが本当に残念だったし、あそこで「ああー今回のストーリーは期待できないかも」って思ってしまった。あの時点で、ストーリーに対して穿った見方をしてしまう自覚さえあった。

 なんでコーナと組むの?

 もうコーナとは関係良好じゃん。コーナの話そこそこしたじゃん。他に掘り下げ全然してないキャラが2人もいるじゃん! 互いに過去とか継承の儀にかける想いとか知る事で以降の話も広げやすくなるし我々プレイヤーもゾラージャとバクージャジャの側に立てるじゃん! なんつーか、楽な展開に逃げただけに感じてしまって仕方なかった。ほんともったいない。

 ゾラージャと組む→継承の儀が始まって以降、ずっと口にしてる「平和を望む心は争いが無いと生まれない」、そう考えるようになった経緯を描く大チャンスだった。古戦場のエピソード――元々は争っていた2部族が、互いに平和を望むが故に和解したっていうのも、あの時点のゾラージャが聞けば「ほらな、やっぱり争いは必要なんだ」って言わせれば良かったのに。そこから「実はこういう事があって~」な流れでいいじゃん。なんなら勇連隊の話とか光鱗戦闘団の話引っ張ってきても良かった。連王の唯一の実子としての、ゾラージャなりの国に対する想いが欲しかったんじゃ!!!!

 バクージャジャと組む→キミ、その料理知ってるよね? もしかしたら若者ゆえに古戦場のエピソードは知らないかもしれないけど(そんなことある?)、料理の事は知ってるよね? 知らない筈ないよね? ハンターハンターのハンゾーのように出し抜こうとしたけどペア戦だから仕方なく協力、その中で知りたがライオンのウクラマトから「へーっ、すっげぇなぁ!」ってなんか褒められてちょっと心開く流れがあっても・・・・・・いやそれはないな。 そういうギャグじゃないけど、バクージャジャの行動原理を掘り下げるチャンスではあったよな。ウクラマトは知りたがり属性付いてるんだから、一緒に組む事になった以上はしょうがねぇ、とか言ってバクージャジャの事を知ろうとして一悶着起こしても良かった。

 そもそも組まない→これ一番面白そう。四勢力全部活躍できるじゃん。あるいは役割分担させて全員で一つの料理を作らせても面白そうだった。なんかやっぱり、各試練の中でもこの料理対決だけちょっとおかしいよな。わっかんね。

 

リビング・メモリー

 これほんともったいないよね。めっちゃくちゃいい題材じゃんね!

 たぶん皆が思ったと思う。「これ絶対、今の魂だけの自分と過去の肉体を持っていた自分の差に悩んで哲学的問いかけしてくるキャラが出てくるやつだ!」って思ったと思う。思ったでしょ!

 まぁ蓋を開けてみればそんな話は一切無かったんですけどね。メインクエの流れで話すキャラ達も、皆主人公達の立場に立って迎合してくれるから(なんで?????????????)なんのトラブルも無くさくさくシャットダウンが進んでいくし。

 いやわかるよ!? メインクエの進行度的に、ここでごちゃごちゃした話を入れるにはもう尺が足りないんだなってわかるよ! でもそれはプレイヤーが忖度してあげるとこじゃないじゃん! 尺に関してはシナリオ側で全体のバランス見ながら調整してよ! はっきり言ってここのメインクエ進めるのはNPCの発言に疑問符を感じたりウクラマトの独善もあって苦痛でした!!!!!

 今後の拡張で少しづつここの話を広げていくなら、まぁ、ぎりぎりわからないでもない。本編では語られなかったけど実はこう考えている勢力もいて~的な流れを出してくるなら、まぁわからなくはない。でも無理じゃん。もうシャットダウンしたんだから。あそこのエリアに今後NPC出してくるならそれこそストーリーの杜撰さを指摘されちゃうでしょ。ここまでやりきったんだからもう出さないだろうけど。

 個人的に、シャットダウンに抵抗する人々が出てこないのが苦痛だった。死後も生を享受する喜びを感じてる人々を描いてるんだから、その人達は消されそうになって抵抗するでしょ。それを描かないのは明らか逃げじゃないの。

 シナリオ側が尺の問題で書きたくないのはわかる。こういう答えの無い問題で、着地点が見えないまま意見をぶつからせるのもめんどくさいっていうのもわかる。

 でもそれをしないがために、ウクラマト達は「今生きてる人達の意見も考えも無視して、納得してくれる人だけの意見を聞いて『私達は正しい事をしてる』ってスタンスで虐殺していく」事になっちゃったじゃん。正しい事をしてるってスタンスで住民をデリートしていくの胸糞が強すぎてな。

 それは穿った見方だよ、って言う人が多いかもしれないけど、このリビングメモリーの話を進めてる間中、ずっと私の胸がモヤモヤしてたのはこういう見方があったからだし、しょうがない。私だってそう見たくて見てるわけじゃないし。そう見えるって話。ああ言い訳。

 でもこれに関しては、「じゃあ住民が消されないように抵抗すれば虐殺感は消えたのか」って言われると全くそんな事はないし、どうやっても嫌悪感は拭えなかったかもしれない。難しいね。ただウクラマト側の意見だけを良く見せるために他の意見を全部見せないようにして殺していくのは最高に気持ち悪かった。

 SF的な設定で、新しい価値観を見せてくれた事に関してはさすがFF14、って手放しで褒めれるけど。中身の細かいとこが全然できてなくて、ガワだけのハリボテみたいな使い方になってるのが残念。ソリューション・ナインである程度話したから、もういいじゃんって思ったのかな。

 プレイヤーのシナリオへの忖度が前提にある作りに感じたかなぁ。

トラルヴィドラール

 蛮神とは異なる大型ボス! FF5のボスラッシュみたいに、FF6のボスラッシュもくるんじゃないのこれ楽しみだなぁあああああ!

 ヴァルガリマンダだけです。

 ・・・・・・この肩透かし感。いやまぁまだ黄金は始まったばかりだからね。今後の拡張で、例えばオメガの時のように8人レイドに絡めてくるかもしれないし。

 8人レイドはソリューション・ナインの闘技場です。

 ならメインストーリーに! 今後のメインストーリーで関わってくるから!

 正直どう思う? 私は今後のメインストーリー、トライヨラじゃなくてソリューション・ナインを主軸にしていくと思ってるから(未回収要素多すぎ)、もうトラルヴィドラールくん出てこないと思ってるんだけど。

 もしかしたら紅蓮の四聖獣みたいなサブストーリーで出してくる可能性もあるかもしれないけど。どうなんだろうなぁ~~~~ってかわりと宣伝段階で目玉の一つにしてなかった? もっと出してよ話を広げてよ! ゾラージャがサカトラルかどっかに討伐の任に就いて~って話もコーナがしてたし、ほんとはもっとメインで拡げる予定なんじゃなかったの?

 別世界の話ばっかしすぎて、自分達の原初世界おざなりになってんよ~~~~せっかく新大陸出したんだからこっちで話を広げようよ! ウクラマトはもう出て来なくていいけど! 楽しみにしてたトラルヴィドラール!

 

終わりに

 杜撰なとこも多く、特に物語の中においてキャラクターに重きを置く人には微妙なストーリーだったと思う。

 逆に、ウクラマトがほぼほぼストレスなく(グルージャジャを喪ったりスフェーンを和解できなかったり、ストレス自体はある)話を進めていき、否定もされず常に肯定してもらえるようなお膳立てストーリーが好きな人にはよく刺さったと思う内容だった。普段の光の戦士がわりとそうだけど、光の戦士でそれが許されるのは意見を言わないからなんだよなぁ。

 新しい世界観を限られた時間の中で表現しきらないといけない縛りがある中、多種多様な部族の歴史や価値観を描く事はかなりうまくいってた。正直そこにかけた時間は妥当だと思うし、無駄な部分も無かったと思うからやっぱりぶっこみ過ぎたんだと思う。

 トライヨラとアレクサンドリアの話を分けてくれてさえいれば良かったのに……まぁ終わったものは言っても仕方ない。

 今回のストーリーの流れ的に、今後はソリューションナインに焦点を当てていくんだろうけど、そうなるとガラフ関連の話もそっちで出て来たりするのかな? 今回の話は今回の話として、今後の話はこれからの楽しみとして取っておこうね。

 それではこのあたりで。読んで頂きありがとうございました!

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